再生重油(JIS K 2170)は重油代替燃料として、主に産業用ボイラー、加熱用バーナーで用いられます。
WHAT IS RECYCLED OIL 再生重油とは
再生重油(JIS K 2170)は使用済み潤滑油を主原料にした廃棄物を有効利用したリサイクル燃料です。
SDGsの観点からも環境にやさしく、経済的かつエシカルな燃料です。
3E(Ecological、Economical、Ethical)重油と呼んでも良いものです。
再生重油の製造プロセス
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01回収・収集

使用済み潤滑油や工業廃油を専用のルートで回収します。これには、廃油を集めるための特別な設備や輸送手段が必要です。
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02前処理

回収された油から水分や大きな異物を取り除きます。この段階での処理は、後の製造工程をスムーズに進めるために重要です。
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03精製工程
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油を加熱して、粘度を下げて流動性を高めます。
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フィルターを使って、固形物や微細な不純物を取り除きます。
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遠心分離機を使って、油と水、その他の不純物を分離します。
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04調整・混合

用途に合わせて、粘度や燃焼特性を調整します。例えば、ボイラー用燃料として使用する場合、特定の燃焼特性が求められます。
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05製品化・出荷
最終製品としての品質を確認し、出荷します。製品は、タンクローリーやドラム缶などで輸送されます。
USE CASES AND MERITS 再生重油の活用例とメリット
再生重油の利用場面は増加傾向にあります。
特に、環境負荷を低減する取り組みが進む中で、その需要が高まっています。
石灰製造にて使用される直火使用の工業炉や製紙工場などで現在使用されております。
具体的な利用方法
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ボイラー用燃料
工場や施設のボイラーで使用されます。
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アスファルト製造
アスファルトの製造過程で燃料として使用されます。
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工場の加熱炉
工場用途での加熱炉の燃料として使用されます。
再生重油利用のメリット
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コスト削減
原油価格の高騰の影響を抑えることができます。再生重油は、原油を新たに採掘するよりもコストが低く抑えられます。
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環境負荷の低減
使用済み潤滑油廃油を再利用することで、廃棄物を減らし、資源を有効活用します。これにより、環境への負荷が軽減されます。
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法令順守・CSR
循環型社会に貢献する取り組みとして、企業の社会的責任(CSR)評価が向上します。
省エネ法、温対法における再生重油の位置づけ
- 改正省エネ法(2023年4月施行)に基づく定期報告書では、化石エネルギーから非化石エネルギーヘの転換を促進する趣旨で、従来報告義務になかった太陽光、風力、バイオ燃料などの非化石エネルギーも報告対象となります。再生重油はこの非化石エネルギーに分類されます。
- 温対法の「温室効果ガス排出量 算定・公表制度」では廃棄物の有効利用の観点から廃棄物原燃料と位置づけされ、排出されるCO2はエネルギー起源のCO2排出量として調整後、温室効果ガス排出量報告では削除され報告対象外となります。
出典 全国オイルリサイクル協同組合HPより
注意点
品質のばらつき: 性状はJIS規格内で保たれておりますが、原料の性質によって品質に差が出ることがあります。
対応設備の限定: 一部の燃焼設備では使用できないこともあります。特定の設備に適した燃料である必要があります。
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